撮影日記、雑感

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 2008年の撮影日記はこちら 
2009年3月7日(土)
都会の中の里山

土曜日は車で通勤している。途中で何度も多摩丘陵を越えていく。
多摩市の永山のあたりで、丹沢の向こうに富士山がきれいに見える場所がある。今日はひときわ真っ白な富士山だった。このところ東京は雨が多かったが、富士山ではすべて雪だったのだろう。
いつか写真にと思いつつ、うまく車を止める場所がないため通り過ぎてしまう。
午前中は少し日が射したが、仕事帰りに青葉区の寺家ふるさと村に立ち寄る頃にはすっかり曇っていた。暖かいがこれでは蝶は飛ばない。
畑に咲いた春の花を少しだけ撮った。帰化植物のヒメオドリコソウは小さな目立たない花であるが、真上から撮ると幾何学模様が面白かった。
ホトケノザも派手な花ではないが、群落をつくるとなかなか見ごたえがある。
右下の花は赤紫色の茎や葉脈が特徴のコウサイタイ(紅菜苔)というアブラナ科の中国野菜の花のようであるが、真偽のほどは「?」。曇って暗めの畑に黄色い花が豆電球のように映えてきれいだった。
次に来るときには蝶やトンボが飛び始めているだろう。

2009年2月28日(土)
6日ぶりの太陽

東京は冷たい雨や雪の降る天気が続き、今日は6日ぶりに日が射す天気となる。このところ、体調が優れなかったが、今日は少し回復したので神代植物園(調布市)に出かけた。
天気は予報ほどは回復せず、昼前後に少し晴れただけで、また空は雲に覆われてしまった。
植物園では梅が満開で、たくさんのメジロが花の蜜を目当てに訪れていた。小さくてかわいい鳥であるが、お互いにぶつかり合って蜜を争っていた。
その他にはサンシュユ(右中)、フクジュソウ(左上)、クリスマスローズ、ボケ(左下)、ミツマタ(右下)といった花が咲いて、園内は早春の装いであった。深大寺蕎麦を食べて帰った。深大寺ビールも飲みたかったけど車だったからね。
蝶が見られるまでもうちょっとの我慢かな。

2009年2月15日(日)
春の始まり

13日に早くも春一番が吹いて、昨日は季節を二つ飛び越えた暖かさ(暑さ?)となった。
今日も暖気が残って春本番のような陽気である。
ゆっくり起きて狭山丘陵へ出かけた。ナビによると自宅から26kmである。
到着するとまず飛び込んできたのが蛙の声である。レンジャーのおじさんに聞くとヤマアカガエルだという。昨日から鳴き始めたそうだ。しかし池には近づけないため姿は見られない。でも少し山よりの湿地で卵塊を見つけた。この蛙、産卵した後もう一度冬眠するんだという。帰ってから調べるとニホンアカガエルもいてもおかしくないので、ヤマアカガエルの真偽のほどは判らない。近くの枝にはノスリがとまり、虎視眈々と水面を睨んでいた。
日当たりの良い林縁できれいな木の芽を見つけた。ニワトコの芽のようだ。早春にトップをきって芽吹く樹のひとつらしい。何かタラノメのようで天ぷらにしたらおいしそう。実際食べられるそうだが、食べ過ぎるとお腹をこわすので要注意ということだ。
昨日はヒオドシチョウが飛んだらしいが、今日はチョウの姿は拝めなかった。まだ寒の戻りはあるだろうが、春の始まりを感じさせる一日だった。

オオイヌノフグリの咲く斜面
ヤマアカガエルの卵 タネツケバナの咲くあぜ道
ニワトコの芽
2009年2月7日(土)
Spring Ephemeral

今日は早春の花を見に小金井市にある公園に出かけた。
ここでは毎年、全てが元々自生していたものかは知らないが、次々と春の花が咲く。そのトップバッターを競うのがフクジュソウとセツブンソウである。蝶やさんはスプリング・エフェメラルというと先ずギフチョウを思い浮かべるが、早春の短い間だけ咲く植物をさすこともある。セツブンソウは思っていたよりずいぶんと小さくて、触れただけでも萎れてしまいそうなほど華奢な印象で、スプリング・エフェメラルという語感がぴったりの花であった。川岸にはオオイヌノフグリが咲き始めていたが、こちらをスプリング・エフェメラルと呼べるかというと、ちょっと、、。在来のイヌノフグリを追いやって広がったたくましい帰化植物にこの名前は似つかわしくない。
照葉樹で越冬蝶を捜していたら、葉の裏に白い蛾を見つけた。これもフユシャクかな、と思って帰ってから調べるとマエアカスカシノメイガ(前赤透野螟蛾)という蛾らしい。フユシャクの仲間ではないが、暖かい地方では通年見られるという普通種だった。
あと一月もすると蝶が飛び始めるだろう。去年の初見日はチョウが323日(ミヤマセセリ、コツバメ、ルリシジミ、スジグロシロチョウ)、トンボが420日(ダビドサナエ)であった(成虫越冬種を除く)。もっとも、定点観測をしているわけではないので、どこに行くかと、私の忙しさ次第であって、あまり意味はない記録であるが、楽しみではある。

<追記>
パソコンで青空をバックにロウバイを撮った写真を開いたらびっくり(下のとは別の写真)。青空にごみがたくさん映っている。いくらダスト・リムーバルがあっても、限界があるようだ。普段虫の写真を撮っていても全然気付かなかった。皆さんもシーズンインを前にお掃除しましょうね。

2009年1月24日(土)
It's not my day.

西日本にはこの冬一番の寒気がはいった。冬型の気圧配置になると東京は冬晴れが常識だが、今日はちょっと違う。等圧線が蛇行しており、気圧の谷が残っているようだ。まあでも、ときどきは日が射すだろうと思って、今日は越冬中の「ムラサキ兄弟」を見に、千葉の公園へ出かけた。
東京経由で電車で行くことにする。途中、葛西臨海公園やディズニーランドを通る。子供が小さい頃は何度か訪れた場所だ。もう孫でもできない限り来ることもないかも知れない。舞浜で乗客の大部分が降りて、車内がガラガラになると目的地だ。
しかし雲行きは怪しい。ときどき細かな雨が降る中公園を歩き始める。「ムラサキ兄弟」とはムラサキシジミ(ムラシ)とムラサキツバメ(ムラツ)だ。両者とも常緑樹の葉上で越冬し、ムラツは集団越冬で有名だ。特にムラツの食樹マテバシイは念入りに探しながら散策する。それにしてもカメラを持つ手もかじかむほどの寒さである。こんな中、同好の士もいないようだ。今日は園内に人が少ないからいいが、暗い木陰でカメラをもって歩いていたら怪しまれそうだ。特にトイレの近くは要注意。
捜し始めて20分くらい経った頃、マテバシイで1匹のムラシをみつけた。暗い上に手前の葉が邪魔をして、羽と直角の位置からの撮影は不可能だ。ファインダーをのぞいてもほとんど真っ暗で、かろうじて触角を頼りにピントを合わせて何枚か撮る。
夢中になっていると、「ムラサキシジミですか。」と声がかかる。年配の方で、よくここで観察されているようだ。しかし「今年はいつもより少なくて。」とのこと。「よく見つけましたね。」と言ってくれる。マテバシイにもいるが、カクレミノ、サンゴジュの方が有望とのコメントをいただいて先に進むが、雨がコンスタントに落ちてくるようになる。我がK10Dは防塵・防滴ボディであるが、レンズがそうでないのでこれ以上は無理のようだ。雨が強まる中、急いで駅に引き返すが、だいぶ濡れてしまった。傘を持って来なかったのが大失敗である。ホームに上がるとなんとすっかり雪に変わっていた。冷えた体に東京駅のラーメンはおいしかった!
結局はこの辺りにもいるムラシ1匹で終わってしまったが、越冬体を初めて見つけることができたのでよしとしよう。こんどこそ好天の日に来て、ゆっくりと捜してみたいものだ。もしかしたら蝶を見つけるより、蝶を撮っている人を捜した方が近道かも知れない。


このように葉が重なって雨をしのげる場所で見つけた。触角を前下方に垂らしているのが印象的。位置は地上約2m。

今日は写真が1枚でさみしいので、成虫越冬する蝶の覚え書を、、
[シロチョウ科] ヤマキチョウ、スジボソヤマキチョウ、キチョウ、ツマグロキチョウ
[シジミチョウ科] ルーミスシジミ、ムラサキシジミ、ムラサキツバメ
[タテハチョウ科] 14種ほど
[ジャノメチョウ科] クロコノマチョウ、ウスイロコノマチョウ
[ウラギンシジミ科] ウラギンシジミ
[テングチョウ科] テングチョウ

成虫越冬の蝶は冬でも暖かい日は活動することがある。春一番に見ることの多い蝶でもある。
2009年1月18日(日)
春を待つ公園

冬晴れの続いた東京も今日は朝から曇天で肌寒い。
今日は午前中しばらくぶりに、やはり近場の善福寺公園を散歩する。
石神井公園のようにカメラ片手の人はほとんど見かけないかわり、歩道が広いからか、ジョギングをする人が多い。
冬は虫やにとってつらい季節であるが、日本の昆虫にとって寒い冬は重要な休息の季節だ。虫やもそれに従って英気を養えということかな。
それでも季節は確実に進んでいる。公園では春を待つコブシの冬芽が膨らんでいる。ロウバイが咲きそろい、梅もちらほらと開花した。これからは少しずつ日も長くなっていく。

カイツブリ 潜水が得意。
春を待つコブシの冬芽銀色の毛に包まれて暖かそう。もう2ヶ月もすれば白い花をつけるだろう。 ツグミ 都会でも見かける代表的な冬鳥
2009年1月11日(日)
石神井公園の冬鳥

強い冬型の気圧配置となり、東京は冬晴れ。
近場の石神井公園へ出かけると、真冬というのにいつにも増して人が多い。原因は2001年以来8年ぶりに飛来したオオハクチョウである。私も新聞を見て出かけた一人だ。
しかしどこにも見当たらずに引き返した。どうしてもという気合もなかったので、大勢いた鳥やさんにも聞いて見なかったのだが、あとでネットで調べると飛来したのは三宝池ではなくて、ボートの浮かぶ石神井池の方だったらしい。しかも昼ごろどこかに飛び立ってしまったという。
最近鳥インフルエンザへの警戒から餌やりを自粛したため、南方への渡来件数が増えているという見方があるらしい。
いくつかカモの写真を撮ったが、人を全く怖がらず、むしろ寄ってくる鳥を撮るのはどうも身が入らないなあ。

キンクロハジロ♂ 今年多いのはキンクロとハシビロ、そしてオナガガモである。
ハシビロガモ♂ 平べったい嘴が特徴。この他にカルガモ、マガモを見る。 バン  東日本では夏鳥だそうだが、石神井公園では何匹も見られた。
2009年1月3日(土)
ウメモドキに来る鳥

今日は初出勤の帰りに12月にまだナツアカネが元気に飛んでいた場所で越年アカネはいないか捜してみたが、さすがにもう一匹も見かけなかった。少し残念だったが、これが正常の冬であろう。結局昨シーズンのトンボの終見日はアキアカネの12月20日であった。
年末年始は家内の実家のある富山で過ごした。庭にあるウメモドキの実を食べに、入れ替わり立ち代り小鳥が訪れていた。虫の写真が底をついたので、どうってことのない写真であるが、鳥の写真をば。あるときはガラス越しに、うまくいけばそーっと窓を開けて撮った写真である。
SIGMA APO MACRO 180mmで三脚使用、トリミングあり。

ヒヨドリ:こいつが一番うるさくて威張っていた。
ジョウビタキ♂:都会でも見かける冬鳥の代表。一番神経質だった。ちょうど実をくわえたところを撮ることができた。 シロハラ:やはり冬鳥。ツグミの仲間。大体地面で餌をあさっていたが、時々このように実を食べに枝に登った。

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