2008年12月29日(月) |
180mmマクロ |
今までマクロレンズはPENTAX DFA Macro 100mmF2.8だけしかもっていなかった。しかし近づきにくい昆虫の撮影には100mmでもまだ焦点距離が足りないと思うことがよくあるため、より望遠のマクロを欲しいと思っていた。等倍撮影のできるレンズとなると候補は2つしかなかった。
a) SIGMA APO MACRO 150mm F2.8 EX DG
b) SIGMA APO MACRO 180mm F3.5 EX DG
タムロンも180mmをだしており、評判がよく、b)よりやや軽くて安価だが、残念ながらPENTAX用がでていない。当然180mmのほうが、より長いワーキングディスタンスがとれるが、重くなるし高価になる。
かなり迷ったが、100mmをもったまま買い足すんなら、150mmだと中途半端で、180mmのほうが使い分けがすっきりするだろうと思ったのと、イタリア在住で息をのむほど美しいネーチャーフォトのHPを公開しているJuzaさんがb)を絶賛していたため、b)に決めた。でも高い!幸いこの秋に、希望小売価格の半額の中古品をみつけて手に入れることができた。少し傷があるというが、素人目にはわからないし、写りに影響はない。
まだ短期間ではあるが、使ってみて大変気に入っている。とてもシャープでボケ味もよい。三脚必須という書き込みも見たが、カメラのボディ内手ブレ補正のおかげで、十分手持ち可能である。いちばん気になるのはもちろん重さ、大きさであり、山登りに携帯するにはよっぽどの覚悟がいりそう。手持ち可能とはいっても、やはり100mmマクロに比べると満足いく写真の撮れる確率はやや低いので、どうしても数多く撮る必要がある。特にここまでの望遠レンズとなると被写界深度が更に浅くなるため、ピント合わせに関しては極めてシビアであり、ぶれた写真よりピンボケの写真を量産することになる。また曇天ではISO感度を上げるか、ストロボ使用の頻度が上がる。まだ慣れていないためか、目的の虫をファインダーに入れるのに少し時間がかかることもある。また、オートフォーカスはちょっと使い物にならないのでマニュアルで合わせている。
目的によって100mmと使い分けることとなろうが、技術と筋力を鍛えて使いこなせるようにしたいものだ。
右はこのレンズで撮ったアオイトトンボとヤマトシジミ。
[09年1月22日追記]
smc PENTAX A*200mm F4 ED MACROというマクロレンズがあるようだが、現在ペンタックスのラインナップから外れており、入手は困難のようだ。
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2008年12月20日(土) |
空振りの告白 |
今年は思えばずいぶんと色々な所に行ったものだ。撮影記録をみると、いかにも期待通りの成果を上げているようだが、実はその裏で何回も空振りがあった。シーズンオフを埋めるために、そのひとつをここで披露しよう。
ヒヌマイトトンボという大変小さなイトトンボがいる。最も近年発見された日本特産のトンボである。私が学生の頃バイブルのように使った図鑑にはまだ載っていない。それだけあって産地は特殊な環境に限られる。ほとんどが汽水域、すなわち海水が混ざる水域である。
学生の頃からこいつがいるとされた場所を何度か捜した。神奈川県のTS川とか。しかし目撃できないまま、産地は次々と消えていった。
今年は少ない情報を頼りに2ヶ所まわった。東京のE川やT川。蒸し暑い中を歩き回ったがダメだった。一度はそれらしい影を目撃したが、大きさからいってアオモンイトトンボだったろう。こいつが見つからないとき、しんどいのは暑いうえに副産物が皆無な点だ。そりゃあそうでしょう、河口付近にいる蝶やトンボは知れている。おまけに水は汚く、悪臭すらするし、ゴミも多い。葦原の奥深くに隠れていることが多いとは聞いても、どこまで沈むか判らない汚いヘドロの中に入っていく勇気もない。
T川の河口付近は葦原の中を縫うように踏み跡がある。こいつを捜すには好都合である。それを辿ると必ずホームレスの仮小屋に行き着く。中には、庭があるなかなか立派な小屋や、鶏まで飼っている小屋もある。煮炊きの煙も漂う。声をかけられたおじさんに来た訳を話すと「昆虫の写真かい。昆虫は難しいよな。逃げちまうもんな。」と同情してくれた。
秋に栃木で会った愛好家にこいつの話をしたら、「それなら今年撮れたよ」といって、うれしそうにカメラの液晶で、胸に独特な可憐な斑紋をもつその写真を見せてくれた。そのときはフィールドであったため、地図が手元になく、そのポイントを探すキーワードを聞くしかなかった。来年はそれを手がかりに捜しに行こう。ちょっと遠いけど。冬は夢ばかりが膨らんで困ったものだ。
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いずれも横浜市青葉区にて、12月20日 |
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2008年12月13日(土) |
まだがんばれ!師走のナッちゃん |
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2008年11月23日(日) |
今年最後の遠征は、、、 |
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2008年11月14日(金) |
冬に向かう伊那路にて |
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2008年10月19日(日) |
フジバカマに来るチョウ |
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2008年10月14日(火) |
幼虫その後(3) |
玄関先のホトトギスの茎で蛹になった2匹のルリタテハは、もうだめかと思っていたが、12日の日曜日と今日、無事羽化した。2匹とも同じ日の9月27日に蛹になっているので、蛹化からそれぞれ15日と17日かかって羽化したことになる。羽化前日あたりから蛹が黒っぽくなり、白く光る白斑が青味がかってきたが、模様が透けて見えるといった感じはなかった。
多くのブログをみると蛹の期間は1週間余りのことが多く、長くても15日のようであるので、我が家に住みついたルリタテハはずいぶんとのんびり屋さんだったようだ。特にこの期間、気温が低かったわけではないので、理由は良くわからない。
かわいくもなんともない幼虫や蛹であったが、一月も居つくと親しみが湧いてきて、やきもきしながら羽化を待った。そんな気も知らないで2匹とも私の留守に羽化してしまい、帰宅すると既にいなくなった後だった。この親の心子知らずめ(大袈裟かな)。
幸い二日とも家内は在宅だったので、コンデジで撮ってもらう。それでも羽化の瞬間はあっという間らしく、気付いたときには翅もほぼ伸びきっていたということだ。羽化は9時から11時の間ということで、思ったより朝寝坊だ。
このまま越冬した成虫は、来春また我が家のホトトギスに産卵に戻ってくるんだろうか?まさかサケでもあるいまいしね。でも約半年後にこのあたりを飛び回るルリタテハがいたら、成長した我が子を見るような気がするのかも。
蛹を茎ごと屋内に移せば、もっと詳しい観察もできただろうが、なるべく自然状態の写真を載せたかったのでそのままにした。
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10月4日撮影 |
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10月12日撮影 |
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2008年10月12日(日) |
ヒメアカネの湿地 |
連休中日は風が少し強いが、まあまあの天気となる。
今日は1時間ほどで行ける狭山自然公園にでかける。駐車場の少し先に湿地がある。遊歩道を進むと小さな小さなアカトンボが飛んでいる。今まで見たアカトンボの中で最も小さいんではないだろうか。近づいてよく見ると、やはりヒメアカネだ(写真上)。マユタテアカネによく似るが、大きさと、翅胸前面の模様、それと腹端の上付属器の形で区別可能だ。マイコアカネと大きさが似るが、成熟オスの顔面は真っ白であり、青味がかることはない。
それにしてもヒメアカネの多い湿地だ。最優先種である。この他にもマユタテアカネ、コノシメトンボ、ネキトンボ(写真下)がみられた。別の湿地では、オニヤンマの他に、カトリヤンマと思われるヤンマが何回か飛んだが、止まってくれなかった。今年は最普通種のはずのアキアカネがやけに少なく感じる。今日もそれらしき個体を遠くで1頭目撃しただけだった。
蝶では特にテングチョウが多かった。しきりに吸蜜している。これから冬を越すために栄養を蓄えているんだろう。
今日はこのように小さなアカトンボの飛び交う中、落ち着いて散策できた秋の良い一日だった。
ヒメアカネの撮影に夢中になっていたら腰のあたりがむずむずする。携帯の振動だ。嫁さんからの電話だ。親戚に高齢の伯父伯母がいるので、このようなときはちょっと胸騒ぎがする。切れた電話をかけなおすと、家のルリタテハが羽化したという。実は蛹化して2週間以上経つので、ほとんどあきらめていたのだが。コンデジで撮ってもらうように頼んでおく。
家に帰ると既に飛び去った後だった。もう1匹は明日あたりだろうか。
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2008年10月5日(日) |
普通種を撮る楽しみ |
シーズン中は、あまりよいこととは思わないが、何とか希少種を撮ろうと躍起になってしまう。そんなときに普通種が飛んでいても、なかなかカメラが向かないものだ(ごめんなさい)。
でもシーズンオフとなり観察できる種類が少なくなると、そんなチョウ、トンボにもファインダーを向けるようになる。じっくり撮ってみると、それもなかなか楽しい。がつがつしないでゆったりとした気分で楽しむことができる。
右は今日石神井公園で撮ったもの。オオアオイトトンボは都会の池でも時々目にするが、緑の金属光沢がとても美しい。
スジグロシロチョウはキツネノマゴの花で吸蜜していたが、あわただしくすぐに飛び立つので、花に止まっているところにファインダーをもっていき、飛んだ瞬間にシャッターを押したら、多くのNGの中に何とか見られるものがあった。
その他ヒカゲチョウの産卵にも遭遇し、カメラを向けたが間に合わなかった。
今日は天気予報どおり午後から曇って、6時過ぎから雨が降ってきた。
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2008年9月27日(土) |
幼虫その後(2) |
今年初めての冬型の気圧配置になり、岩手山や立山からずいぶん早い初冠雪の便りが届く。東京の空気も一晩で入れ替わり、ぐっと涼しくなった。
さて、昨夜遅く帰宅したときには確かに定位置にいたはずのルリタテハの幼虫が、今朝見るといない。どこかで蛹になっているはずだ。
家内と捜索したところ、間もなく2匹とも見つかった。1匹はホトトギスの下のほうで、もう1匹は隣のサザンカの下枝で前踊になっていた(写真上)。たいした移動はしてなくてよかった。終齢幼虫の頃は地上70-80 cmのところにいたのに、蛹になるのは地上たったの10 cmと40 cmの暗い場所だ。低い場所のほうが確かに枝や葉に隠れて見つけにくい。何せ、羽化するまで全く移動できなくなるわけだから、蛹化する場所はクリティカルである。それにしても終齢幼虫の気味が悪いほどの大きさに比べてずいぶん小さくなったものだ。
午後には蛹となったが、その瞬間は捉えることができなかった(写真下)。タテハチョウの蛹はアゲハチョウなんかと違って腹部の先端を上にして逆さにぶら下っているタイプで垂蛹と呼ばれる。
順調に行けば8-9日で羽化ということになりそうだ。ここ数日で体内の大改造が行われることになる。寄生蜂にやられてないといいんだが。
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2008年9月21日(日) |
幼虫その後 |
我が家の毛虫君達は、その後も2匹とも元気。雨の日は葉の裏に隠れているが、止み間に葉を食べている。大きさは4 cmには達しているんではなかろうか。
ホトトギスは園芸植物として人気があるからか、検索するとルリタテハの幼虫が登場するブログはいっぱいある。それらを読んで勉強するといろいろなことがわかる。
まず、この写真では棘が白い(本当の先っぽは黒いが)。これは終齢幼虫の特徴らしい。1週間前の写真では確かに黄色い。もうひとつ、食事中以外はほとんど体を丸めている。この理由はわからないが、丸めたほうが目立ちにくいからなのか、それともハリネズミのように棘で身を守っているのか。
私が気付いた点は、成長するにつれて蕾のすぐ近くから少しずつ下に移動すること。これは、上の葉ほど新しくて柔らかいので、若い幼虫が食べやすいのだろう。この習性がわかれば幼虫のいる株は一目瞭然である。1本の茎が大体1匹の幼虫を育てるくらいの葉をつけているようだ。また皆さんのupした写真を見ると、同じ終齢幼虫でも色の個体差があることがわかる。赤っぽいやつや黒っぽいやつなどなど。
このまま無事なら1週間以内に蛹になりそうだ。食草の茎で踊化してくれれば写真が撮れるんだけど、旅にでるようだとちょっと捜せないかも。
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2008年9月15日(月) |
黄金色の秋に黄金色のチョウとトンボを |
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2008年9月14日(日) |
玄関先の届け物 |
詳しくはまたの機会に述べるが、望遠マクロの中古を買ったので、玄関先で試し撮りを試みる。庭などと呼べるようなものはないし、咲いているものは貧弱なバラ程度。その他にホトトギスが植えてある。このホトトギス、毎年株が大きくなってきた。蕾も膨らんで今年もたくさん咲きそうである。
そこで色づいてきた蕾でも撮ってみようとカメラを向けると、、、あれ?小さな毛虫が付いている。あっ、ここにもいる。いかにも毒針のような棘がある。まてよ、確かルリタテハの食草がホトトギスだった。もしかしてと思い、ネットで調べるとやはりルリタテハの幼虫のようだ。触ってみて何ともなければイラガやドクガの幼虫ではないが、自信がないので遠慮した。時々殺虫剤を散布してたが、そういえばここ1月くらいサボっていた。
かなり遅めの若齢幼虫だが、10月に羽化してそのまま冬眠するんだろう。確かに杉並でも春先何回かルリタテハを見かけた。いつの間にか我が家に飛来して産卵したんだろう。
近くに他の株はないので放浪の旅には出ないだろうし、本当に2匹だけなら(ほんとかな)、十分養える株の大きさだ。鳥や猫に食べられず、寄生蜂にもやられなければ、しばらく観察できそうだ。でも大きくなるにつれ、益々グロテスクになんだろうね。
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2008年9月6日(土) |
石神井公園記念庭園 |
石神井公園といえば石神井池と三宝寺池が公園の要である。ボートの浮かぶ石神井池は自然観察には向かず、三宝寺池ということになる。池を巡る遊歩道を進むと、ここが都会であることを忘れさせてくれる風景に浸ることができる。しかし池の水際までは近づけないところが多く、また散策する人が大変多いため、トンボの観察にはストレスを感じることも多い。
石神井公園の東南の端に記念庭園と呼ばれる一角がある。何の記念なのかは知らないが、ここには小さな池が有り、井戸から湧き水が流れ込んでいる。池の周りは樹木に深く覆われており昼なお暗い。その樹木を縫うように、緩やかな坂道の石畳の園路が続いている。
ここは公園の他の場所と違って、とても静かで、たまに年配の人たちが散策に訪れるくらいである(そのかわりヤブカが多い!)。今日は午後から晴れたので、蒸し暑い中、ここを訪れた。あたりはツクツクホウシの声で満たされていた。水際には、木陰の多い池を好むアカトンボのリスアカネが何匹も縄張りを張っていた(写真上)。またモノサシトンボの連結と交尾も観察することができた(写真下)。このトンボ、白と黒のモノトナスな模様であるが、白が個体によって薄く緑がかっていたり、水色っぽかったりで、とても魅力的である。
何度か、やや小型のヤンマが飛んだが、残念ながら撮影どころか種の確認もできず、楽しみな課題が残った。
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2008年8月31日(日) |
ついにここにも!アカボシゴマダラ |
8月の最終日にして、しばらくぶりに夏らしい天気が戻る。
もしかしたら面白いヤンマでも見られるかと思って、午後から自転車で石神井公園へ。
思いがかなわず止めておいた自転車のところに戻るとムラサキシジミが飛んでいる。開翅写真を狙うがかなり擦れている。飛び去る先に目をやると何とアカボシゴマダラが。
いよいよここにも出現したか。初めての写真が撮れても喜びより戸惑いのほうが強い。蝶に詳しくない人のために、その理由を簡単に説明しよう。
もともとこの蝶は日本では奄美大島と徳之島にしかいなかった。学生に頃、奄美に行ったことがあるが、一番の目的はこの蝶であった。ただここにはハブも生息するので気をつけねばならない。木に登って採ろうとしたとき、ハブもいて首を咬まれて命を落とした採集者がいる、なんていう恐ろしい話も聞いていたんでね。
話がそれたが、私が神奈川県藤沢市にアカボシがいると最初に聞いたのは確か4年前だ(実際は1998年から見つかっているらしい)。斑紋の特徴から中国大陸由来と推定され、何者かが誤って、あるいは故意に放蝶したと考えられている。その後、瞬く間に分布を広げ(複数の場所で放蝶された可能性もあるが)、最近では神奈川県下だけでなく、少なくとも埼玉県、東京都でもみつかっている。
近似種のゴマダラチョウや国蝶オオムラサキと食樹(エノキ)が競合するため、影響が心配されているが、まだ影響は明らかになっていないようだ。仲良く共存できるといいんだが、同じ人間同士ですら戦争で殺し合っているからなあ。
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2008年8月30日(土) |
豪雨の合い間に |
お盆明けから天候がおかしい。1週間ほど梅雨寒のような気候が続いたと思ったら、今度は毎日のように猛烈な雷雨がやってくる。8月29日早朝には愛知県岡崎市で1時間雨量146mmというとてつもない豪雨を記録したが、町田市の図師町でも同じ頃1時間110mmを記録している。図師町はよく行く小山田緑地のすぐそばである。
今日仕事帰りに立ち寄ってみることにした。着くころまた雨が降り出したため、駐車場で仮眠する。15分程うとうとしただろうか、雨が止んだ。
園内の草はいたるところで横倒しになっており、流れ出した土も当時の雨のすごさを物語っている。また、いつもはないところに小さな流れが残っており、まだ大地が染みこんだ水分を吐き出しきっていないようだ。池はもやに煙って、何もしなくても眼鏡が曇るほどの湿気である。近くの水田脇の小川には大量の草木が流れ着き、川幅の狭まった所に堆積しており、委託を受けた業者がトラックに回収していた。
次第に日も射すようになって、結構な数の虫たちが飛びだした。普通種ばかりではあったが、2週間ぶりのフィールドであったため、結構楽しめた。家に着く頃はまた雨が強まり、大雨洪水警報が発令されていた。しかしこう頻繁に警報がでると何とも思わなくなってくるよね。
今日のチョウ:ダイミョウセセリ、キマダラセセリ(写真上)、イチモンジセセリ、オオチャバネセセリ、キチョウ、ムラサキシジミ、キタテハ(写真下:このオスはしばらくこのようにメスに抱きついていたが結局交尾に至らず諦めて飛び去った)、ヒメウラナミジャノメ、ジャノメチョウ
今日のトンボ:コオニヤンマ、オニヤンマ、タカネトンボ?、シオカラトンボ、ショウジョウトンボ、コシアキトンボ
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2008年8月17日(日) |
お盆休みの2品 |
昨日はお寺参りや庭の草取りなどで忙殺された。今日は帰京する日であるが、このまま帰るのはもったいない、という昆虫熱の症状が再発し、またも息子を説得し、2箇所だけ短時間の立ち寄りの許可を得る。
まずは実家から車で15分ほど山に入ったところにある神社である。小学生の頃から数え切れないほどここを訪れている。以前は、今頃行けばゴマシジミやホソバセセリに必ず迎えられたものだが、もうその面影はない。しかし神社脇の清流に沿って、昔どおりオニヤンマが飛んでいる。何度もオスの飛翔写真を狙ったが、証拠写真程度のものしか取れなかった。ホバってくれれば撮れるんだが。帰ろうと思った頃、近くの葉陰にオニヤンマの1頭が消えた。静止写真でも撮れればと思って注意深く近づくと、そこにも小さな流れがあり、メスが産卵中であった。日本一大きなトンボの、その中でも一回り大きなメスが、バシャッ、バシャッ、と水面を叩きながら繰り返す産卵はド迫力であった(写真上)。
2箇所目はミヤマシジミのいる川辺である。この蝶も以前は、実家から数分も歩けば会うことができる普通種であったが、全国的に減少著しい蝶である。まだ、伊那市付近の天竜川沿いに産地が残っていると聞き、ポイントを知らぬまま適当な場所に車を止めた。堤防に沿って食草のコマツナギが点々と生えているので期待しながら歩く。時々シジミチョウは目にとまるが、ウラナミシジミとツバメシジミばかりである。30分近く探してやっとのことミヤマシジミのメスを1頭だけ探し出せた(写真下)。
もっと時間をかけたかったが、午後3時をまわり、にわか雨が降り始め、風も強まって撮影どころではなくなったため、続きは次回ということで退散することにして、渋滞覚悟で中央道に入った。
帰り着いた東京は秋の始まりを思わせる涼しさだった。
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2008年8月15日(金) |
残暑の北八ツに黒いアカトンボを追う |
お盆に実家へ帰る途中、ちょっと(かなりだが)寄り道して北八ツの某池へ黒いアカトンボを撮りに行く。アカトンボっていったいどんなトンボだろう。「夕焼ーけ小焼けーの赤とんぼー♪」という歌を思い浮かべる人が多いだろう。日本の秋の風物詩の代表であるが、実は「アカトンボ」という種類のトンボはいない。赤いトンボならアカトンボでいいじゃないかという考えもあるだろうし、実際それを否定する理由はない。しかし一般的にはアカネ属(Sympetrum属)に属するトンボをアカトンボと考えるトンボ屋さんが多いと思う。そうした場合に問題になるのが、赤くならないアカトンボが何種類かいる点である。
北海道と本州高地に限って分布するムツアカネは成熟しても赤くならない。それどころかオスは成熟すると黒くなるのである。私は学生の頃、北海道東部の標茶付近でこのトンボに会ったきりであったので、このトンボが多産するという北八ツのA池に立ち寄ることにした。
A池は標高約2100m、峠の駐車場から1時間余り歩いた所にある。ところが駐車場に車を止め、いざ出発という時、息子が小さなトンボがいるというので見てみると、何とそれがムツアカネであった。歩道に入ってすぐにある小さな池にもチョロチョロとムツアカネが飛んでいる。「なーんだ、これならわざわざA池まで行かなくてもいいじゃないか。」一瞬そう思ったが、せっかくだから往復2時間半ほどかけて散歩がてら行ってみようということになる。
歩道は次第に深い針葉樹林帯に入り込み、時に赤いリボンを頼りに進む。途中、荒廃した林道を歩く部分では、道沿いにキベリタテハ、エルタテハが飛ぶ。
樹林が突然途切れ、明るいA池に飛び出る(写真上)。そこは正にムツアカネの天国であった。水際では信じられないほど多数の連結したペアーが産卵していた(写真下)。時々オオルリボシヤンマも産卵にやってきた。あたりは駐車場からは想像できない静寂が広がり、途中も含めて会った人は10人程度の、心洗われる高地散歩であった。
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2008年8月10日(日) |
立秋の富士山麓 |
暦の上ではもう立秋を過ぎ、早くも秋だ。この季節になると観察できる蝶はだんだんと限られてくる。
今日は以前F先生に教えていただいた静岡県にあるクロシジミのポイントに行くことにする。ちょっと遅いので来年にしようか迷ったが、珍蝶クロシジミの誘惑には勝てない。私の育った飯田の近辺では、私の知る限り産地はなかったし、東京近辺にあった産地は全て消滅した(と思う、残念ながら)。だから会いたい蝶のトップグループにはいっている。
9時前にポイントにつくと、すぐに大きめの黒いシジミがよぎったが確認できない。それっきりそれらしい蝶は一向に現われなかった。そのかわり、いろいろなアゲハチョウが湿った土に吸水に来る(写真上:ミヤマカラスアゲハ)。時間も10時をまわり、やはり時期が遅すぎたか、それともここからも消えたのかとがっかりしながら駐車場の方へ戻っていくと、採集者が暇そうに道端に座っている。もし撮影できていたら、気付かないふりをして通り過ぎるところだが(ポイントを教えたくないからね)、今日はちょっと事情が違うので、すごすごと近づいて何気なく聞いてみた(えらく勝手だね)。「クロシジミいますか?」。すると「ええいますよ。あのあたりとあのあたりの藤の木なんかの周りに飛んでますよ。」
確かにそこに行くと結構な数のメスがチラチラ飛んでいるではないか(写真下)。多分最初に見たのもクロシジミだったんだろう。このネットマンは結構親切で、「ここにもいますよ」と教えてくれたり、撮影が終わるまで採集を待ってくれたりした(それでも写真に撮った後、すぐに網に収まるのはあまり見たい場面ではなかったが)。
F先生が行ったのが5年前ということで心配したが、一応ここは健在のようだ。ただ発生はかなり狭い範囲であり、観光客で結構にぎやかな場所である。最盛期には採集者はもっと多いことだろう。次々と産地が消えていくなか、何とかいつまでも世代を重ねてほしいものである。来年は暗紫色に光るオスを撮ってみたいものだ。F先生、情報ありがとうございました。
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2008年8月2日(土)〜4日(月) |
高山蝶の棲家へ(3) |
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2008年7月21日(月) |
所沢の林、盛夏 |
先日、仕事仲間であり蝶仲間であるF先生から、所沢の先生のフィールドで、今年もジャノメチョウが見られるようになったとの連絡をいただいた。今日はそのフィールドを案内していただくことに。東京にこれだけ近いジャノメチョウの産地は貴重である。
まだとても広い雑木林が残っており、そのはずれの、今は使われていないテニスコートにススキが繁っている。ここにたくさんのジャノメチョウが発生している。時期がちょうど良かったらしく、交尾の写真まで撮ることができた。
エノキの林ではたくさんのゴマダラチョウが飛んでいた。ここはまだ幸い(といっていいんだろうが)アカホシゴマダラは進出していないようだ。林の中で小さい赤とんぼが飛んでいる。よくみると東京周辺では珍しいヒメアカネであった。
ここは平地産のゼフィルスは大体一通りみられるようだし、運がよければミスジチョウとも会えるという。今から来年のその季節が楽しみである。
半日時間を作って案内いただいたF先生、どうもありがとうございました。
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2008年7月5日(土) |
梅雨明け間近の小山田緑地 |
今日も仕事の帰りに土曜恒例の小山田緑地に立ち寄る。2日続きの真夏日で、実質梅雨明けといった感じだ。駐車場は初めての満杯である。オオシオカラトンボ(写真上)、ハグロトンボくらいしか飛んでいない。オオムラサキの自生地との標識があるが、まだ早いのか数が少ないのか目撃できない。グラウンドでは蒸し暑い中、少年サッカーの試合が行われている(何と少女もいる)。いやー、子供は元気だ。
本日の感動は最後に待っていた。帰ろうと思い池に沿った歩道を歩いていると、とても大きなトンボが飛び出す。黒と黄色の模様からサナエトンボの仲間のようだ。以前ここでヤマサナエを見たとき、えらく大きく感じたが(5月17日)、それよりずっとでかい。図体の割に小さな複眼、ばか長い後肢から考えて日本でオニヤンマに次いで大きいコオニヤンマである。
しかし写真に収める前に茂みの向こうに消えてしまう。飛び方もゆっくりでずいぶんと貫禄がある。取り逃がしたか、と思うが、幸運を信じて茂みの向こうの消えたあたりに回ってみると笹の葉にちゃんと止まっていてくれた(写真下)。
決して稀種ではないのだが、初めて写真に収める時はドキドキするものだ。こんな年になっても少年のときの感動を呼び起こしてくれる日本の自然は素晴らしい。
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2008年6月15日(日) |
初夏の石神井公園 |
久しぶりの土日と続く2連休の週末だ。しかし今日は家にいて部屋の片付けとかして過ごそうと思っていた。でも午前中ちょっとだけ石神井公園でも散歩しようか。自転車なら15分だし、ということで出かけたわけだが、期待以上の成果で午前中丸々つぶすことに、、
公園は蓮の花が満開だ。蓮は昼を回ると花を閉じてしまうらしい。蓮の葉はクロイトトンボの天国だった。しかし岸辺の枝に見慣れない大きめのイトトンボがいる。いや、イトトンボではない。モノサシトンボ(写真上)だ。昨日はオオモノサシ、今日はモノサシ。運が良すぎである。黒とわずかに緑がかった白が清潔感を醸し出している。
三宝寺池を回りながらトンボを探していると、池に張り出した枝に蝶が止まっている。よく見ると何とミドリシジミではないか(写真下)。見上げるとそれはハンノキの大木だった。ここなら早起きして来れば翅を開いた写真を撮れるかもしれない。
池では「生態工房」というNPOの若者たちが池の外来種の調査と駆除を行っていた。この池で問題になる外来種は1.ブルーギル(小魚や水生昆虫を食べてしまう)2. ミシシッピーアカミミガメ(在来種のクサガメ、イシガメを駆逐してしまう)3.カミツキガメ(魚を食べる他、人への危害の可能性)4.ライギョ(他の魚を食べる)らしい。去年から調査しているそうだが、カメの在来種(ほとんどクサガメ)と外来種の比は1:2だそうだ。ミシシッピーアカミミガメのように元々ワニのいるようなところにすんでいる外来種に、日本のおとなしいカメさんたちはかなわないそうだ。このような活動に役立つなら、少しではあるが寄付してもいいかな。
ところで10年来乗ってきた自転車のブレーキワイヤが公園に行く途中に切れてしまった。買い物カゴもぼろぼろだし、タイヤも磨り減ってきた。買い換えたほうがよさそうだが、思い切って車に積める折りたたみ式にでもしようかな。
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2008年6月14日(土) |
梅雨の晴れ間に「オオ」ものを捜す。 |
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2008年6月8日(日) |
冷や汗もののアオハダトンボ撮影行 |
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2008年6月1日(日) |
信州の草原に青い星を追う |
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2008年5月5日(月) |
センチメンタルジャーニー |
長野の実家は事情があって現在空き家の状態である。ときどき草取りなんかで帰らないといけない。今回はついでにもう少し南へ足を伸ばしてみた。信州のディープサウスとでも言えそうな伊那谷の最南部は、天竜川沿いで標高が低く、長野県で最も温暖な一帯である。ここにはベニモンカラスシジミ、ヒサマツミドリシジミといった暖地性の興味ある蝶が記録されている。天竜川に沿ってJR飯田線がゆっくり走るが、川沿いは深い谷となっており、主な集落は標高の高い地域にある。
もうずいぶん前になるがここでチャマダラセセリの写真を撮ったことがある。当時、特に貴重種という意識は全くなかったが、最近各地で減少の一途をたどっている。今回ひょっとして、という期待をもって出かけたが、そんなにあまいもんではなく、チャマダラに関しては惨敗だった。簡単に撮影記録を付けておく。
5月4日、先ず向かったのが阿南町深見の池。南信では貴重な自然湖である。池を横断するように鯉のぼりが泳いでいた。着いてすぐ驚いたのが夥しい数のホソミオツネントンボ(写真下)である。冬を越して青く成熟した個体が交尾、産卵をしていた。次にびっくりしたのは、やはり無数のブルーギルである。いつからこうなったのか、浅瀬に数え切れないほどの稚魚が泳いでいた。トンボ好きにとって外来魚は天敵のような存在であるが、大勢の子供たちが楽しそうに釣りをしているのを見ると複雑な気分になる。それにしてもホソミオツネン以外にも数多く飛んでいたシオヤトンボ、ヨツボシトンボ、コサナエ、アジアイトトンボといったトンボはどうやってブルーギルの目をかいくぐって生き延びたんだろうか。
この後、昔チャマダラがいた泰阜村に向かう。ここは物心のつく前後に住んでいた場所でもある。今でも畑や裏山、未舗装の道などの記憶が夢のように残っている。道はずいぶん立派になったが、山深い風景は変わらない。ここではいたるところにウスバシロチョウ(写真上)が飛んでいた。渓流性のトンボはまだちょっと早いせいか、シオヤトンボしか見かけなかった。住んでいた場所が今どうなっているのか確認しようと車でぐるぐる回ってみたが、記憶があいまいなことと、ナビにでる情報が少なくて、結局場所を特定できなかった。夏、ちゃんとした地図を持って再訪しようと思う。
最後に私の気ままな旅に付き合ってくれた家族に感謝。
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2008年4月27日(日) |
春姫の微笑み |
朝5時過ぎに目が覚めるが頭が痛い。昨夜大学時代の仲間と5年ぶりくらいに再会し、つい調子に乗って飲みすぎたようだ。一瞬、今日はやめようか、と思うが気を取り直して6時頃家を出て中央道を西へ。長野のヒメギフチョウが目当てだ。このポイントには毎年通ってこれで3年目。いつも目撃はできるも、まともな写真は撮れてないので再度のリベンジである。
11時過ぎて雲が切れ始めた。今のうちに腹ごしらえと、サービスエリアで買ったおにぎりを食べ始めたとき1匹目が飛び出す。それから立て続けに10匹近く出現する。まともに食べる暇もないくらいだ。ヒメギフはギフチョウと比べてやや小さく黄色も心もち淡いせいか、ギフを春の女神とするならヒメギフは可憐でかわいい春の姫である。しかしこの姫様、なかなか落ち着かない。よくとまるがすぐに飛び立ってしまうのでまともな写真が撮れない。そうこうするうち12時を回ったらぱたっといなくなってしまった。おまけにネットマンが二人やってきた。自分も以前ネットを振り回していたくせに、今はネットマンが苦手だ。少し距離を置いて待つこととする。
その後も時々飛んでくるが、気温が上がったせいかほとんどとまろうとしない。彼らのほうに飛んでいくとはらはらして落ち着かないので脇道に入ることとする。ここは2年前何回か目撃した道だ。時間が時間だけに今年もダメか、とちょっと焦り始めたとき目の前を横切る。「とまってくれ」と呟きながら必死に追いかける。藪の中を走っている姿を見られたら、きっと「あの人大丈夫?」と思われるだろう。しばらく追いかけたら元の道にでた。姫は道の先にとまった。多分これがラストチャンスだろう。ゆっくり近づいて見るとコキンバイの花で食事中である。
ついに数は少ないが、何とかさまになる写真が撮れた。3年目にしてやっと姫はちょっとだけ微笑んでくれた。ひょっとしてネットマンが来なかったらこの道には来なかったかも知れず、彼らに感謝すべきかもしれない。
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帰りに見えた南アルプス甲斐駒ケ岳(左奥が北岳) |
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2008年4月20日(日) |
今年のトンボの初物は? |
今日は午後から晴れるという。三月に行った多摩川の河川敷を散歩することにする。ヒバリが鳴いて、南からやって来たばかりのツバメが飛び交うが、北東の風が吹いて肌寒く、雲も取れない。この風が吹くと関東の天気はぐずつく。
時々雨がパラパラと落ちてくるが、明るいオレンジが美しい春型ベニシジミ(写真上)が迎えてくれる。川のすぐ近くを歩いていたとき、弱々しく何か飛び出した。羽化して間もないサナエトンボである(写真下)。まだやわらかな翅が美しく輝いている。今日ここで見られるとは思っていなかったのでうれしい驚きである。サナエトンボの仲間は種の特定が難しいので拡大したり角度を変えたりしてじっくりと撮影する。結局春を代表するサナエ、ダビドサナエの♀だった。多摩川の、しかもこんなに下流で渓流性のサナエがいるということは、それだけ水がきれいだということか。
結局天気予報は外れ、ついに太陽は顔を見せなかった。
本日のチョウ:モンシロチョウ、スジグロシロチョウ、キチョウ、モンキチョウ、ベニシジミ、ヒメウラナミジャノメ
[付記2008.5.10] 昨年9月に関東を直撃した台風9号で多摩川が大増水した。もしかしたら幼虫がこの時上流から流され、このような下流で羽化したのかもしれない。それにしてもあんな洪水の中を生き延びたなんて!
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2008年4月5日(土) |
春の女神に群れる人 |
春の女神に例えられるギフチョウ(写真上)。早春の短い期間、極めて限られた場所でしか見られないことから蝶愛好家の憧れの的である。産地が人里に近いため絶滅に瀕しているところが多く、関東で確実に見られるのは相模原市のここだけであり、場所を伏せるまでもないほど有名だ。
山の麓に着いたときはまだ肌寒く曇っていた。登り口の民家のおばあちゃんから手作りの梅干を買うとお茶を入れてくれ、ひとしきり世間話をする。小一時間の登りの間に早くも二、三回ギフチョウの出迎えを受け、とりあえず証拠写真を撮る。ギフチョウを見るのはこれが二回目。最初に会ったのはもうかれこれ30年程前、実家の近くの飯田市である。そこも今は地元の方たちによって保護されているものの、決して楽観できない状態のようだ。
この時期この山に登る人は100パーセントギフ狙いである(もちろん写真撮影が目的、採集は禁止)。「いましたか?」「飛びましたか?」で会話が始まる。主語は要らない。山頂から降りてきた人にこう聞くと、「たくさんいますよ。人の方が多いですけどね。」という返事。
確かに山頂には常にギフが飛んでおり、地面に降りると芸能人が現れたかのようにカメラの放列ができる。昼近くなると益々動きが活発となり、激しい空中戦を繰り広げる。そこにキアゲハやミヤマセセリが参戦するとなかなか壮観である。山頂に飛来するのはオスばかりなのだろうか、「女神」のイメージとはちょっと違うような。
首都圏から遠からぬこの産地がこれからも安泰であることを祈らずにはいられないが、なぜか胸躍る感激は湧いてこなかった。何と言ったらいいんだろう、動物園で動物の写真を撮るような、昆虫館にいる蝶の写真を撮るような感じがどこかでしたことと、山頂には花がないため、地面か落ち葉にとまった写真しか撮れないためであろうか。麓の集落でもちらほら見かけ、一度は梅の花に止まりかけたがそのまま飛び去った。登り口の先ほどの民家の庭に、これも春の使者であるスギタニルリシジミ(写真下)が吸水に飛来していた。長いこと一人暮らしのおばあちゃんだそうだが、庭に息子さんの自動車が止まっていて何故かほっとした。
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2008年3月23日(日) |
早春の使者が続々とデビュー |
今日は午後から天気が下り坂のようなので朝早く起きて裏高尾を歩いてみる。8時過ぎに着くと気温はまだ8度というのにテングチョウが元気に飛び回っている。それにしてもテングチョウの多さには驚いた。昔はこんなにはいなかったような気がする。気温が上がるにつれて羽化したての春を告げるチョウたちが飛び始める。まずはミヤマセセリ(上)。そして明るい青が美しいルリシジミ(下)。近似種のスギタニルリシジミを探すも今回は見つからない。
黒っぽいシジミが飛ぶ。コツバメだ。羽化したばかりのコツバメの翅の裏は何ときれいなんだろう。こげ茶色の翅に春の光があたって緑や黄色がかった色に輝いていた。残念ながらシグマのズームレンズを100mmマクロに換えているうちに飛び去ってしまい今日は二度と現れなかった。はやりカメラが2台あったらなあ、とつぶやく。
今月は海外出張のため野山に遊ぶのは今日きりであるが、春の常連に会えて楽しい一日であった。
本日のチョウ:ミヤマセセリ、スジグロシロチョウ、コツバメ、ルリシジミ、テングチョウ、キタテハ、ルリタテハ
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2008年3月9日(日) |
ルリタテハの日向ぼっこ |
今日は日曜であるが所用で出勤しなくてはならない。しかし暖かな春の日に誘われて、仕事を早めに切り上げ昼過ぎからフィールドへ。向かった場所は町田市小山田緑地。ゴルフ場と私有地が入り組んだ複雑な形の公園であるが、町田市民にとっては貴重な緑のオアシスである(駐車場無料、入場無料、サービスセンター有、トイレ有、売店無)。このあたりには水田も残り、私のふるさと信州を彷彿とさせる風景である。ゆっくりと散策するもモンシロチョウを一度目撃したのみ。「こりゃ今日は坊主かな」と思って帰りかけたところ足元から黒い蝶が飛び立つ。越冬後のルリタテハでした。厳しい冬を越したとは思えないほど元気に飛んでは落ち葉で日光浴をしていた。ここはちょうど職場から帰る途中にあり、これから何度も訪れることになりそうだ。
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2008年3月8日(土) |
08年蝶初撮影 |
和泉多摩川で小田急線を降りて多摩川べりを歩く。今日こそ今年初物に出会えそうである。気温もだいぶ上がってきた。河川敷のグラウンドから野球をする子供たちの声が響く。枯れ枝を分けながら川岸を進むとキタテハが現れた。1時をまわるとセーターを着ていると汗ばむほど暖かくなってキチョウとモンシロチョウが飛ぶようになる。途中出会った蝶屋さんからツマキチョウを見たと聞く。いよいよ蝶のシーズン開幕である。
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2008年3月2日(日) |
啓蟄間近 |
そろそろ蝶が飛び始めるのではないかと思い近場に出かける。まず石神井公園。まだ日が翳ると寒い。カモ類もまだ北に旅立っていないようだ。結局チョウもトンボも見当たらず。「クルル、クルル」という小さい泣き声が聞こえたので捜すと三宝寺池の浅瀬に10匹ほどのヒキガエルが集まり産卵している模様。東京都区内では池から遥か離れた住宅地でヒキガエルを見かけることがあるが、自分の生まれた池がどうしてわかるのだろうか。
午後の井草の森公園では菜の花が満開。しかしやはり蝶にはまだ早かった。
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